中国A株の三つの理由
中国本土の株式市場は底打ちを探る旅を続けており、長期間引き続き下げ続け上海総合指数は、ここ4年の最安値へ下落。
政策の真空期間の憂慮だけでなく、経済は底打ちするか、玉石混淆の株、小口投資家の市場参加割合の高さ、これらはすべて中国本土の株式市場にとって継続的に大きな下降を引き起こす原因である。
直近の公表データによると、中国経済が第3四半期に底打ちとなった事はすでにマーケットの共通認識であるが、経済の底打ちと経済が底を脱するのは別の話である。言い換えれば、一定の長い期間、底をうろついてからようやく回復可能となるのだ。そうなればもちろん「V」字回復ものぞめるはずだ。経済事態が底を脱するのが遅くなるにつれて中国A株(A share)の低迷からの好転も遅くなる。
以前、中国本土では創業板市場(新興企業向け株式市場/ベンチャー・ボード)が新設され、創業板市場の出現は確実に大きな規模で中小企業に市場開拓のチャンスを提供した。しかし、創業板市場においてもまた株式のクオリティと関連する多くの問題をもたらしてしまった。
このほか、近年の中国株IPOも質の高い銘柄と低い銘柄が混在している。大いに弱気となっている市況のもと、各種株式は投げ売りされ、その中でも質の低い銘柄はより被害が深刻だ。その質の問題のある銘柄は、全体の投資雰囲気を冷えさせ、良質な銘柄までもいやおうなく巻き添えにあう。つまり、株式市場全体に質がいまひとつで株価収益率の高い株式銘柄が依然として大量にあふれている限り、たとえマーケットがようやく投資家心理を十分に引き付けられるレベルまで下落したとしても、正真正銘の安定へと好転するのは難しいだろう。
中国本土の株式市場では小口投資家の参加がメインとなっており、小口投資家によって株券が売買される多くの場合、株式銘柄の基本要素に目を向けられることはなく、投資雰囲気にスポットを当ててしまう。市場全体の投資雰囲気の明らかな改善が見られる場合を除くほか、株式市場の現在の価値が実際の値段以上の価値を持っている場合はさておき、小口投資家が自信を持てることはできない。
小口投資家と比べると、機関投資家の方が市場での株の本当の価値を明らかにより重視している。株式市場に投資価値が現れる際に、機関投資家は市場にエントリーするが、逆もまたしかりだ。言い換えれば、もし中国A株の価値が本当に政府筋に魅力的であると言わせるならば、政府筋はなんとかして機関投資家が市場にエントリーするよう促す方法を考えるはずだ。ひとたび機関投資家が積極的に市場にエントリーすれば、中国A株は徐々に安定する見込みがあり、小口投資家の自信も追って回復するだろう。