米国とEUの貿易合意で、世界的な貿易摩擦がさらに緩和
先週の米国市場では、第2四半期決算が好調だったほか、米国と日本、EUとの貿易交渉の進展もあり、投資家のリスク選好が高まりました。これを受けて、米ドルと米国債利回りは下落し、欧州金利も小幅な動きにとどまりました。
株式市場では米国株が幅広く上昇し、特にテクノロジー銘柄が堅調でした。欧州株は総じて横ばいながら、FTSE100は上昇。日経平均は貿易合意と円安を背景に上昇しました。新興国では上海・香港が上昇する一方、韓国・インド市場は下落しました。
米・EU合意とその意味
米トランプ大統領とEUのフォンデアライエン委員長が貿易合意を発表。欧州車への報復関税が30%から15%へ引き下げられ、EUは米製品の一部にゼロ関税を適用。さらにエネルギーや軍事装備品の追加購入、米国内投資も合意されました。
また、米中間の貿易協議も再開予定で、関税猶予の延長観測が浮上。これらの進展が実現すれば、世界的な貿易不安が後退し、2025年後半の経済と企業業績の回復期待が高まります。弊社では引き続きグローバル株式への投資を重視しています。
米金融政策の行方
今週のFOMCでは利下げは想定されていませんが、ウォラー理事が緩和に前向きな姿勢を見せています。関税によるインフレ懸念は限定的とし、成長鈍化と雇用減速を懸念材料としています。
実際、米経済は潜在成長率を下回る減速局面に入り、2025年後半にはトレンドを大きく下回る可能性も。市場が楽観的な一方、一部の政策当局者は景気下振れリスクに警戒を強めています。










