米国大規模法案成立で投資環境激変、インド株は再加速の兆し
米国議会は先週、歴史的な「One Big Beautiful Bill Act」を可決しました。この包括的和解法案は、税制改革、国境警備資金の大幅増額、歳出削減、エネルギー・医療政策の大転換など、多岐にわたる内容を含んでいます。特に注目すべきは、富裕層・企業向けの大幅減税と、石油・ガス・鉱業への優遇策拡大です。一方で風力・太陽光・電気自動車への支援縮小は、エネルギー投資戦略の見直しを迫るでしょう。
まさに「投資家にとってはチャンスとリスクが交錯する局面」と言えます。政策変更の波に乗り遅れないよう、アセットアロケーションの再点検が急務です。
国境警備費は過去最高額を記録し、壁の建設増設や要員拡充が進む見込みです。一方、低所得者向け医療保険(メディケイド)や食料支援(SNAP)の受給条件厳格化により、数百万人が福祉制度から排除される可能性があります。さらに5兆ドルもの債務上限引き上げは、米国の長期財政不安を増幅させる要因となるでしょう。
インフレ圧力は2025年後半まで継続が見込まれます。ドル安傾向を睨み、外貨建て資産の組み入れが有効な局面です。
インド市場は再び注目の的
2年間の急騰後、年初に調整局面に入ったインド株ですが、第2四半期から再び勢いを取り戻しています。その背景には、外国投資家の資金流入再開と、政府のマクロ政策の効果が挙げられます。確かに、世界貿易の不確実性や国内信用成長の鈍化など、懸念材料がないわけではありません。しかし最近では下方修正ペースが鈍化し、消費者心理の改善、金融緩和、財政支援、インフレ緩和を追い風に、業績見通しは安定化傾向にあります。
2025年の利益成長率は10%超、2026年には15%中盤に加速が見込まれます。バリュエーション面でも魅力が増している今こそ、積み立て投資を開始する絶好のタイミングと言えるでしょう。
インド市場の特徴である「内需主導型経済」は、貿易政策リスクに対する緩衝材として機能する可能性があります。世界的なサプライチェーン再編の流れの中、インド経済の強靭性が改めて評価される場面が増えそうです。