2024年第1四半期の概観
投資家心理は、米金利の長期上昇見通しによって引き続き足かせとなっている。そのため、この第1四半期の決算シーズンは特に重要である。第1四半期の1株当たり利益(EPS)の伸びは前年同期比0.5%増にとどまると予想され、先月の時点では3.4%増と予想されていた。まだ始まったばかりであり、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるテクノロジー・メガキャップの業績次第となる。2024年通年の米国利益予想は、ここ数ヶ月改善傾向にある。景気の底堅さが続くなかでのことだ。アナリストは、EPSの伸びが年を追うごとに大手ハイテク企業に依存しなくなると予想している。
ほとんどの新興市場の株式市場では、業績修正率が低下傾向にある。この乖離は、FRBの長期金利上昇の緊張と、米ドル高による為替変動を反映している。さらに、中国本土のマクロ的な課題が依然として地域心理の足を引っ張っており、アナリストが先行きを冷ややかに見るのも無理はない。しかし、悪いことばかりではない。アジアの第1四半期決算は、今のところ小幅ながら上振れしている。チップ需要が回復するなか、貿易フローは改善している。中国本土の政策支援も成功の兆しを見せている。これが続けば、業績見通しも安定するだろう。