日銀の利上げと世界市場の動向
市場の予想通り、日本銀行(日銀)は1月の会合で政策金利を25ベーシスポイント引き上げ、17年ぶりの高水準である0.5%としました。今回の決定により、日銀は経済見通しが実現すれば、さらなる利上げを継続する意向を示しています。特に注目すべきは、2025年度および2026年度のGDP予測には変更がない一方で、インフレ予測がそれぞれ2.4%(従来の1.9%から)、2.0%(1.9%から)に引き上げられた点です。これは、2024年12月の消費者物価指数(CPI)において、コアインフレ率が前年比3%上昇し、16か月ぶりに上昇基調に転じたことを裏付けています。
日銀の利上げ方針は、インフレ率が目標である2%を上回る水準で安定的に推移するとの確信を深める材料となりました。当社の分析では、2025年第3四半期および2026年第1四半期にさらに25ベーシスポイントずつの利上げが行われ、政策金利が1.0%に達する見込みです。それでも、これは国際的な水準では緩和的な金融政策に位置付けられます。
米国市場とリスク資産の動向
トランプ大統領の就任式後、発言内容を市場が消化する中で、リスク資産が上昇に転じました。その結果、米ドル指数は下落し、FOMCおよびECB会合を前にコア国債は膠着状態となりながらも、米国の投資適格債が相対的に優れたパフォーマンスを示しました。特に米国株式市場では、第4四半期の好調な収益報告やAIインフラ投資計画が買い材料となり、主要指数が全面高となりました。
興味深い動きとして、S&P500指数の「Magnificent 7」をアウトパフォームする等加重平均の傾向がやや停滞しましたが、全体的には上昇基調が続いています。一方、欧州市場でもユーロ・ストックス50が値上がりを続け、ドイツのDAX指数は史上最高値を更新。フランスのCAC指数も力強いパフォーマンスを見せました。
日銀の政策金利引き上げや米国市場での収益報告、AI投資計画など、グローバル市場は新たな転機を迎えています。これらの要素を考慮すると、2024年は各市場での戦略的な投資判断が一層重要になるでしょう